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SIS部会ロードマップ

2005年1月31日
システム・情報・シミュレーション部会

1.目的

化学産業などの生産システムにおいて、システム技術および情報技術の役割は大きい。本部会は、化学工学会における、システム・情報・シミュレーションに係る専門分野の代表組織として、この分野に関連する諸課題について、横断的に、学術および技術の向上、情報の交換を促進し、産業の発展に寄与することを目的とする。また、産官学間の基礎研究、基盤研究、応用研究における有機的な連携をはかることも目的とする。

2.これまでの活動経緯

本部会では上記の目的を達成するため、部会規約において次の事業を行うと規定している。
1)システム、情報、シミュレーションに関連する研究
2)講演会、講習会、見学会の開催
3)調査および資料、情報の収集・整備と交換
4)国際会議、化学工学会シンポジウムの開催と支援
5)その他、本会の目的の達成に必要な事業
この事業を実行するために、部会内に「プラントオペレーション分科会」、「統合化工学分科会」、「ダイナミックプロセス応用分科会」、「情報処理技術教育分科会」、「コストエンジアリング分科会」を設置して活動を行ってきた。それぞれの分科会は、分科会独自の目標達成にむけた研究会の開催や、化学工学会が主催する年会・秋季大会でのシンポジウムの企画等活発な活動を行ってきた。これまでの部会活動は上記分科会の活動が主であり、部会全体としての活動は、年会・秋季大会、国際会議でのセッション運営などに限られていた。

3.今後4年間の活動目標

これまでの活動経緯を踏まえ、今後4年間では以下の項目を重点目標として活動を進める。具体的な年次計画は4節で述べる。

目標1:情報発信機能の強化

システム、情報、シミュレーションに係る国内外の会議の数が非常に多くなっている現状では、個人が全てに参加することは不可能に近い。参加できなかった会員も何らかの方法で会議情報が得ることができれば部会の活性化に役立つ。このため、部会ホームページの充実を図り、会員に対して国内外の学会情報や国際規格情報を提供する仕組みを構築する。また、現在月刊を目標に行っている電子メールを用いた「メールマガジンSIS」の内容を充実させる。このような活動を継続することにより、本部会が日本における当該分野の情報中枢組織としての役割を果たすようにする。

目標2:重要研究項目の調査・選定とその研究の推進

当該分野の学術の発展とその産業への寄与を図るためには、現時点における緊要な研究課題や中期的に重要な研究課題を明確にし、それらに取り組む研究体制についても構想する必要がある。このため、今後重点的に研究を進める必要のある項目を調査・検討する企画グループを部会内に設置し、研究項目の選定、選定された項目に対する関連分科会への協力要請、新たな分科会や研究グループの立ち上げの検討、日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会などの化学工学会以外の関連研究組織との連携の検討等を行う。

目標3:分科会活動の活性化

現在、5つの各分科会は独自の計画にそって活発に活動を行っている。

プラントオペレーション分科会
秋季大会におけるシンポジウムの実施、年間2〜4回程度の研究会の開催、年1回のプラントオペレーションに関する現場監督者セミナーの開催

統合化工学分科会
秋季大会におけるシンポジウムの実施、年5〜6回の研究会の開催

ダイナミックプロセス応用分科会
秋季大会におけるシンポジウムの実施、分科会主催の年1回の研究討論会

情報処理技術教育分科会
秋季大会におけるソフトウェアコンテストの実施、情報技術活用事例集や教科書などの企画・出版

コストエンジアリング分科会
秋季大会におけるシンポジウムの実施、関東地区および関西地区での2〜3ヵ月に1回の定例会の実施、年1回の関東・関西地区会員の合同合宿検討会の実施

今後、分科会活動については、活動方針をより一層明確にするとともに、活動内容の部会員全員への広報を徹底する。また、部会ホームページにおいて分科会関連記事の充実をはかり、新たな部会員獲得のためのPR情報媒体として積極的に利用する。

目標4:他部会との共同事業の実施

本部会は、考察対象を一つのシステムと見なして、さまざまなシステム技術、情報技術を駆使して行う問題解決や、新たな問題解決法の開発を主な仕事とする技術者や研究者から構成されている。扱う問題の粒度は、分子レベル(ミクロ)から地球環境(マクロ)まで様々なレベルにわたり、その範囲は、設計、制御、運転、管理、保全等、システムのライフサイクル全般にわたっている。他の部会では対象プロセスを固有の技術として議論することが多いのに対し、本部会では固有技術とともにそれを支える周辺技術としてのシステム技術や情報技術も含めて、全体的な解決を図ろうとする点が特徴的である。様々なバックグランドをもつ技術者や研究者が、同じ課題に対して異なった視点から意見を述べあい議論することは、総括的な問題解決に不可欠であり、各分野の技術者・研究者にとって得るところが大きい。このような観点から、固有技術を中心に議論する他部会との共同研究会の開催や、年会・秋季大会における他部会との共同シンポジウム開催の意義は大きい。また、これらの企画を行うことで、当部会会員数の増強も期待できる。

目標5:積極的な国際交流の推進

本部会は定期的に開催される2つの国際シンポジウムに参画している。一つは1982年に第一回が京都で開催された「プロセスシステム工学国際シンポジウム」で、3年ごとにアジア・太平洋地域、ヨーロッパ、北米の都市を巡回して開催されている。二つ目は2002年に第一回が京都で開かれた「プロセスシステム工学アジアシンポジウム」で、2年ごとにアジアの都市を巡回して開催されている。いずれのシンポジウムについても国際実行委員会に本部会メンバーが参加していて、当該分野についての国際的な協力および情報交換に貢献している。

目標6:部会運営体制の再検討

上記五つの目標を達成するためには、分科会運営を担当する幹事以外に、部会全体の運営を担当する幹事の存在が不可欠である。上記活動をスムーズに実施できるように部会幹事の役割分担を全面的に再検討する必要がある。

4.実施計画(マイルストーン)

目標1:情報発信機能の強化

1年度:今後開催される国内外の会議・シンポジウム情報に加え、終了したものについての情報(動向や注目すべきトピックス等)を会議に参加した会員に依頼し、部会ホームページに掲載する。このようなサービスは切磋琢磨する場としての部会にとって重要である。情報提供者の負担の少ない方法を検討するとともに、当該分野の重要な会議がもれないような仕組みを考える必要がある。その検討結果に基づき、必要があれば新たな専用のWebページを立ち上げて試験運用する。また、情報提供者への謝金支払いについても検討する。
2年度:上記のシステムの本運用を目指す。当該分野に関係する国際規格やソフトウェアの開発動向等についても、同様な方法で情報の収集と発信が可能かを検討し、可能であれば実施に移す。
3年度:情報量が増えることを想定し、検索機能等について検討する。
4年度:運用を継続することにより、当該分野の日本における中枢組織としての役割を全うし、その地位を確立する。

目標2:重要研究項目の調査・選定とその研究の推進

1年度:企画グループを立ち上げ、部会員へのアンケート調査や討論会により、当該分野のニーズとシーズを明確にする。それらに基づき、研究体制の整備、共同研究の可能性等について検討する。例えば次のような研究課題が考えられる。

生産システム革新に対する貢献

○ 生産技術とマネージメントの統合
○ 統合化工学の応用
○ プラント運転の解析と改善
○ 全体最適化のためのコストエンジニアリング

プロセスシステム工学の再構築

○ プロセスダイナミックス再考
○ プロセスモデリング再考
○ プロセスシミュレーション再考
○ プロセス最適化再考
○ 情報処理教育の再考
○ プロセスシステム工学に関する教育の体系化

2〜4年度:検討結果を関連する分科会に伝えて、分科会での取り組みを促す。分科会では扱いきれない研究課題については、部会としての取り組みを検討するとともに研究体制の整備につとめる。重要課題については年会や秋季大会等で関連シンポジウムを開催して、部会内外に情報を発信する。また、所属機関を超えた共同研究を企画して科学研究費補助金を申請するなど、当該分野の発展のために積極的に外部資金を調達するのを助ける。

目標3:分科会活動の活性化

1年度:分科会内部資料、部会員公開資料、一般公開資料の区別が出来るようにホームページを見直す。また、労力を出来るだけ省ける入力方法についても検討する。分科会主催の会合の案内や議事録の公開を徹底する。部会員が必要とする分科会情報がホームページに掲載されているかをチェックして必要に応じて各分科会に協力を求める。
2〜4年度:各分科会は活動方針をよりいっそう明確にして活動を継続する。部会は各分科会が活発に活動できるように助言するとともに、分科会の連携についても検討する。。

目標4:他部会との共同事業の実施

1年度:共同研究会あるいは共同シンポジウムの実施が双方にとってメリットとなる部会候補をさがす。
2年度:年会あるいは秋季大会において、少なくとも1件の他部会との共同シンポジウムを企画・開催する。
3,4年度:年会あるいは秋季大会において、複数の共同シンポジウムを企画・開催する。また、共同研究会や討論会開催の可能性について検討し、可能であれば実施する。

目標5:積極的な国際交流の推進

1年度:PSE ASIA 2005 がソウルで開催される。部会から50名を超える参加が期待されている。
  2年度:PSE2006 がドイツGarmisch-Partenkirchenで開催される。1997年ノルウェイTrondheimでの開催から9年ぶりのヨーロッパの開催となる。新しい研究テーマや技術のトレンドが明らかになると予想されている。また、「触媒の非定常プロセスに関する国際会議」が吹田市で開催されるが、本部会も共催団体の一つとして加わっている。
  3年度:PSE ASIA 2007が中国で開催される予定である。
  4年度:行事については未定

目標6:部会運営体制の再検討

すでに2004-2005年度の部会運営は以下の組織で行うことになっている。

部会長:1名
副部会長:5名
幹事:14名
監事:2名

これまでの運営体制では必要なときにタスクフォースを編成して対処してきた。しかし、今後の戦略的な部会活動を考えたとき、以下のような分担をするのが妥当と考えられる。

全体の統括:部会長
会計担当:2名
年会・秋季大会担当:2名
広報・会員担当:2名
企画担当:2名
国際交流担当:2名

5.実現のための課題

・ 5つの分科会がいっしょになって本部会ができた背景もあり、分科会中心の部会運営を続けてきた。しかし一つの部会としての共同活動が増える今後のことを考えると運営体制を含めて全体的な見直しが必要である。
・ 当該分野を代表する組織としての位置づけが確立しておらず、学会内外での積極的な啓蒙活動が今後必要である。
・ 20代〜40代の若手会員が切磋琢磨する場として部会が機能しなければならない。このため若手が部会運営に参画することが有効と考えられる。例えば、若手が秋季大会シンポジウムの企画やオーガナイザーとして活躍できる仕組みを考える必要がある。
・ 職場の業務に忙殺されることの多い若手会員にとって学会のボランティア活動はつらいものがある。部会へのサービスに対して研究費名目で報償物資を与えることも検討する必要がある。
・ 情報を受けるだけの部会員が大多数である。これでは活性化は望めない。個人の意見をすくい上げる仕組みや発言しやすい雰囲気をつくることについても検討する必要がある。
・ 国立大学の国立大学法人への移行に伴い、各大学、各研究室で産学連携に関して戦略的な取り組みが始められている。このような中で部会主導の共同研究のあり方や役割を考えなければならない。
・ 部会を取り巻く環境の変化が激しいことが予想される。Plan-Do-Seeのサイクルをまわして毎年ロードマップを見直す必要がある。