中川 究也(京都大学)・小野 努 (岡山大学)・細野 恭生(千代田化工建設(株)) |
化学工業と関わる膨大な研究開発の成果は,要素技術として多かれ少なかれ産業へと実装されてきました.近年,第四の産業革命を目指す動きが世界的に見られる中,より俯瞰的な視点をもって新たなイニシアティブを立ち上げるのは化学工学者であると信じます.急激な社会の変化は,より複雑な要請を科学技術に求めます.製造と関わる課題は多元的かつマルチスケールとなり,製品に求められる価値,機能,品質は個別的かつ曖昧です.技術の善し悪しの判断を単視眼的に下すことの意義は薄れ,それを享受する社会や個人の特性を見て決めることの重要性が増してくるでしょう.本シンポジウムでは,「社会実装学」という,「技術を社会に実装するための新しい学問領域」を化学工学に加えるための議論を行います.一般講演を広く募集し,技術を社会に実装するためのヒントとなる研究成果,事例,コンセプトの発表の場を設けます.