社団法人化学工学会 エレクトロニクス部会

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1-1 部会長挨拶

化学工学会の中にあって最も産業界と繋がりが強い部会の一つが、エレクトロニクス部会です。化学工学には産業・社会の課題に真正面から取り組んで来た歴史がありますから、産業に繋がりが強いことは当然です。産業の中にあって、エレクトロニクスは情報処理技術・情報通信技術の中核として、現代社会が現代社会らしく存在する基盤を支えています。そうであるならば、その分野に関わる化学工学技術者が一定の割合を占めていることは当然です。

化学工学会の集計によれば、産業界の化学工学会会員の約5%がエレクトロニクスに関わっています。エレクトロニクスは常に先端技術を先導する分野ですし、産学連携が盛んになった今日にあって、大学の化学工学先端研究者を活用することは自然です。それならば、化学工学会会員である大学研究者約2000人(推定)の5%以上、即ち、100人以上がエレクトロニクスに関わる課題を研究していても良いのですが、そのようには見えません。

常に、必要は発明の母であるものです。市場のニーズ、生産現場のニーズから遡って研究者に課題が届いた時、科学と工学の視点から根本的に課題が解決されます。しかしながら、研究者の数が不足しているようです。その原因は、エレクトロニクスの主要課題が現代の化学工学研究者に届いていないことにあるのでしょう。

届いていないのであるならば、最も大切な研究課題が未解決のまま現場に潜んでいる恐れがあります。収率100%の生産現場が存在しないことに象徴されるように、例え完成された技術と認識されていても、未解決の難題が潜んでいるものです。実のところ、エレクトロニクス技術の成熟度はどの程度なのでしょうか?

エレクトロニクスは、大きな付加価値を生み出す産業です。ところが、従業者一人当たりに生み出す付加価値は小さい傾向にあります。従業者一人が作り出す付加価値を、「化学工業」、「プラスチック製品」、「鉄鋼」、「輸送機械」、「電子部品・デバイス」について比較した結果が図1です。

一人当たりの付加価値額の推移

「化学工業」の一人当たりの付加価値額が大きいのに対し、「電子部品・デバイス製造業」は低いことが示されています。ここから、「電子部品・デバイス製造業」には、さらに効率化すべき生産技術が沢山あることが予想されます。「化学工業」においてその手腕を発揮した化学工学者達がエレクトロニクスに関与すれば、大きく進展することでしょう。

そこで本部会では、エレクトロニクス産業において電子部品の小型化や部品配置の高密度化に伴って顕在化する主要課題を探り、発信<して行きます。それを、化学工学技術者・研究者と共に解決し、エレクトロニクス技術を進展させることを目指しています。

部会長 羽深 等(横浜国立大学教授)

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