部会長からのメッセージ

新部会長就任のあいさつ
バイオ部会長 名古屋大学院工学研究科 本多裕之

 本年度より歴史のあるバイオ部会の部会長を拝命いたしました名古屋大学の本多です。これまでの先生方のご努力を引き継ぎ、多くの部会員の皆様にとって参加しやすく議論しやすいバイオ部会にしていきたいと思います。

 バイオ部会は、「ヒトの快適な生活と健康に寄与できる社会に受け入れられるバイオ技術の発展をめざす」ことをミッションとして、平成12年度に発足致しました。その後、バイオ部会を取り巻く状況は徐々に変化してきました。特に最近では、国際化による世界とのつながりや、産業界とつながりの強化が求められます。
 このため前部会長の後藤先生は、次の3つの提言をされ、バイオ部会のプレゼンスを高める取り組みをされてきました。
  ・バイオ部会の国際化に向けて
  ・産学連携の融合促進と活性化
  ・バイオ部会の組織改編

 留学生の増加による英語でのコミュニケーション機会の増加を踏まえ、バイオ部会では国際シンポジウムを続けて開催してきております。一方、企業会員の維持、増加を目指し、産学連携が実感できる行事の企画と運用も非常に重要です。社会のニーズに合った組織の改編も産学連携の場ではとても重要です。上記の3つの提言はそれらを意識した取り組みですので、その路線はきちんと踏襲してまいります。さらに、これらの取り組みに加えて私なりの取り組みも加えたいと思います。

 ここ最近、化学工学を取り巻く状況は一段と厳しくなってきています。産業界からは必要とされておりますが、大学では学科の再編等も進んでおり、必ずしも化学工学の教育を受けていない部会員も多くなっております。その結果、化学工学は、絶滅危惧分野・学科とも言われてきています。それぞれの大学でも化学工学科の名前はなくなりつつあります。産業界は化学工学の素養がある学生を望んでいますが、そういう学生を教育する場が失われつつあります。化学工学は1学科としてのまとまりを保てず、化学工学を身に着けた教員は、応用化学、環境工学、材料工学などの領域に散逸しつつあります。名古屋大学でも同様です。その結果として、すでに化学工学をよく知らないバイオ部会員も多数生まれてきています。化学工学はものづくりの学問体系ですので、化学工学教育がしにくくなっているのは、社会全体として非常に危うい状況だと思います。大学で教育できにくい状況であるなら、他分野に散逸している人材を結集し、学会で取りまとめ、学会が主導して化学工学教育の場として若手の人材を育成するべきかと思います。

 そこで
  ・バイオ部会の人材育成
も取り組みに加えていきたいと思います。バイオ技術の応用先である食品、医薬品、化学などの諸分野で活躍できるためには、物質収支、流動、伝熱、攪拌混合、物質移動の素養は重要ではないかと思います。それらはバイオ関連分野のものづくりに欠かせない考え方だからです。生物化学工学の素養です。この取り組みを実現するため、具体的にどうすればよいかは今後多くの方と意見交換しながら進めていきたいと思います。

 改革や再編も時に重要ですが、今、化学工学から目をそむけてしまうとバイオ技術の産業応用の将来が、非常に危うくなります。化学工学会の中のバイオという位置づけに、いろいろなご意見もあろうかと思いますが、夢だけを語るのではなく、真に必要な研究、真に必要な教育を今一度考えてみたいと思います。それが、バイオ部会のプレゼンスを顕示することにつながると信じます。

 最後に、後藤前部会長は“Show-the-flag運動”を提唱され、情報公開の原則のもとに会員の方々と連絡しあいながら、バイオ部会の活動を推進してこられました。私もそれを踏襲いたします。そのうえで、上記のようなバイオ関連分野、すなわち広い意味での生物化学工学の人材育成に関しても取り組んでまいりますので、生物化学工学に関心をお持ちの皆様のご入会を心から歓迎申し上げます。



【ミッション】

快適な生活と健康の増進に寄与し社会に貢献するバイオ技術の発展をめざします。
生物化学工学のプレゼンスを顕著にすることにより、生物化学工学者のさらなる地位の向上をめざします。


【アクションプラン】

会員が研究や業務の展開のために切磋琢磨する場を提供します。
情報公開を部会活動の原則とするとともに、会員にバイオ関連の情報を提供します。
会員の国際的活動を支援するため、国際学会やシンポジウム等の企画と後援を行います。
バイオの科学と技術に関するサービスや提言を、産業ならびに社会に対して行います。
工学の部会として、従来の学問体系を越える新しい学問分野を拓く活動を行います。
工学と産業の分野において、バイオ部会のプレゼンスを顕示する活動を行います


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